第1弾のドビュッシーは、とにかく犯人が意外すぎて衝撃的だったことしか印象に残ってなかったのですが、この第2弾を読んで、そうだそういえばこの人のは音楽についての描写がものすごく詳しいんだった、と思い出しました。(今さら)
今は大変便利な時代なので、作品中のクラシック音楽をユーチューブで聴きながら読むことができ、より楽しむことができました。前のを読んだときはまだそんなことできなかった……ような気がします。
謎解きという点では、はっきり言いますと、私だけかもしれませんがこの作品の犯人はすごく意外でもなかった。想定内。それと、主人公とその彼女との隠された関係も、割と分かりやすく伏線があってそれも「やっぱりね」という感じ。ただチェロを盗んだ方法とか、色々散りばめられていたピースがすべて一つの線で結ばれていくようなスッキリ感はさすがだなと思いました。全体に無理なく入っていけたし、途中でほんのチラッと、前作のキャラかな?と思うようなのも出てきたりして楽しかったです。
あとやっぱりこの本の一番の特徴は音楽についての描写。曲の解釈とか音楽界のあれこれとか音楽家の生き方とか音大の現実とかが本当に詳細で、演奏している最中もその演奏の描写がすごくリアルです。あとがきにも書かれてましたが専門家の方が読んでも面白いとか共感できるとか。この人絶対に音楽関係の人で、さらに自分で何か楽器をやってる人でショ、と思ってたら、調べてみたところ全くそんなことはないらしいので二度ビックリしました。
それと、もう一つは名古屋が舞台なのですごく身近なんですね。地名とか駅名とか路線とか、ぱっとイメージできるのも嬉しいです。
作者についても今回色々調べてみて、もっと色んな作品を読んでみたくなりました。とりあえず音楽シリーズを読破してみたいと思います。これは全部図書館にあったので……。なんでカエル男がないのかちょっと不満ですけども。(¬з¬)