これ、授業で使ってる問題集にあった例文なんですけど……。
全文は「
カラオケは、嫌いじゃないこともない。」
これを読んでどう思いますか?
私は最初……というか、今でもよく意味が分かりません。
文法上は問題ないのですが、意味が「???」になりませんか。
「嫌いじゃない」(=つまり好き)「こともない」だから要するに「嫌い」って言いたいんですよね?
これね、「好きじゃないこともない」ならまだ分かるんですよ…
例えば
①A:Bさん、カラオケ行かないの? 好きじゃないの?B:あ、いや、好きじゃないこともないんだけど、ちょっと今は…。とかね、それを言うシチュエーションはまあ浮かびやすい。それにしてもちょっと回りくどいですが…^^;
でも、「嫌いじゃないこともない」って……
②A:あれ? Bさん、カラオケ行くんだ。嫌いじゃなかったんだね。B:いや、嫌いじゃないこともないんだけど、今、暇だし、Aさんも行くから。これはどうでしょう?
まあ分からないことはないかもしれませんが、前提として「Aは、Bはカラオケが嫌いだと認識していた」ということがないとダメだし、もしこれを言うなら「いや、好きではないんだけど」とか言った方がずっとわかりやすいと思うんですがね。
そもそもこの文型は、「もっと安くしてくれれば買わ
ないこともない」とか、「お腹はいっぱいだけど、ケーキなら食べられ
ないこともない」とか、二重否定を使うことによって消極的な肯定、あまり気はすすまないけどやればできるよ的なことを言いたいときに使うので、もともと否定的な言葉「嫌い」とか「無理」とかには合わないのかな、と思います。つまり、三重否定になっちゃうからね。ワケが分からなくなりますよね。「無理じゃないこともない」って、結局「無理」ってこと?? ってなるじゃないですか。あと、「嫌い」とか「無理」って遠回しに言いたいなら、他の表現を使いますよね。言いたいことが違う感じ。
というわけで、この例文は差し替えるか削除したほうがいいのにな~と思ったというお話でした。
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