「おん」っていうのは、共通語で言うところの「うん」(とか「おう」とか)です。これを関西弁の人が言うと「おん」って聞こえる、ということで、主に同人の小説とか漫画とかでよく見かけるんですよね…。少なくとも私は、普通の小説や漫画で「おん」っていうのを見たことはないです。
結論から言うと、私はこれ非常に違和感があり、これが出てくるとどうしてもそこで一瞬止まってしまいます。別に「うん」とか「おう」とか書いとけばいいじゃん、と思っています。というか、書いてほしい。どんなにイイお話や漫画でも、「おん」って出てきた途端にちょっと現実に戻らされてしまうんですよ…「ん? なんだこれ」ってね。^^;
というか他の人は違和感ないんだろうか? とすごく疑問に思ってもいます。なんか最近よく見るので。
ずっと以前……うーんもう何年前なのか忘れましたが、関西にお住まいの方がブログに、「『おん』なんて言ってないよ! すごい違和感」というような趣旨のことを書かれてまして。ああ、関西の人でもそうなんだって思った記憶があるんですがね。
で、ここからが理屈をこねくり回しますのでイヤな方はスルーでお願いします。(笑)いや今までも十分スルーでいいですけどね。
そもそも、発音した言葉を発音どおりにそのまま表記するのは無理です。だって平仮名しかないんだから。細かいことを言えば、こんなに明確にしゃべってるのはアニメとか映画の吹き替えとか、ニュースを読んでるアナウンサーぐらいです。
例えば「うん」一つとっても、よく聞いてみれば、ハッキリ「う」「ん」と言ってる人のほうが少ないと思います。大体の人は口をほとんど開かずに「んー」みたいに言ってるはずです。でもこれを無理やり聞いた通りに「んー」と書くと、別の意味みたいに取れちゃいますよね。「うーん」って考えてるみたいな感じとか。
私たちは知らず知らずのうちに、頭の中で文字に変換しているんですよ。聞いた音を、頭で認識する際に無意識に変換しています。例えば「あたし」の「あ」は時々殆ど発音されてないことがありますが、私たちは無意識に脳内で「あたし」と認識して理解しているんですね。言った本人も、「私は『あたし』と言った」と認識している。でも実際には「たし」になってるので、外国人が聞くと全然分からないことがよくあります。(あくまでもひとつの例です)
それと同じで、関西弁の人も、自分が「おん」って言ってるとは思ってないのです。だって「おん」ってどういう意味??? 日本語では軽い返事や相槌は、文字で表せば「うん」です。せいぜい「おう」だと思います。「おう」「おぅ」ならまだ自然な日本語の範囲内なんじゃないかと思います。
もちろん、できるだけ聞いた音をそのまま表したいというのは分かります。「なんだよ」を「んだよ」って書いたりとか、他にもいろいろ、できるだけ忠実に話した言葉を表そうとするのは全然いいし、むしろ私もできるだけそうしています。意味が分かる範囲内でね。意味が分からないところまで忠実にしすぎるのはどうかと思います。だって、それじゃ文字にする意味がない。(笑)
今でも覚えてるんですが、中学生か高校生のとき読んだマンガで、男の子が「おれ、ガキいんだわ」って言うところがあって、当時の私は意味が分からなかった。(笑)「ガキい」ってなんだ? 子供っぽいっていう意味かな、と思って読んでたら、そのうちやっと「子供がいる」っていう意味だって分かりました。もちろん発音してくれればすぐに分かりますが、文字だと分かりにくいですよね。せめて「ガキ」の後に「、」があればな…。(´・ω・`)
なので私はできるだけ意味がすっと分かるように、「これどういう意味だろう」ってそこで止まってしまわないようにと気をつけるようになりました。何でもかんでも言ったとおり書けばいいってもんじゃないと思います。音と文字は別物だと思うので。
「おん」も然り。別に「うん」とか「おう」とかでいいんじゃないかなぁ…。私みたいな頭の固いヤツのために…(-_-)
なんかどこかで吐き出したかったのでここに書きました。すんまそん!