森/博/嗣の本は、多くが相互に繋がっているので、できれば順番に読んだほうがいいと言われています。ところが、私はよほどのことがない限り図書館で借りて読んでるので、順番通りというわけにもいかないのです。図書館に全部キレイにそろってないので。
まずドラマ化もされたので知っている方も多いと思われる『す/べ/て/が/F/に/な/る』を初めとする「S&Mシリーズ」、私はこれは半分ぐらい読みました。ドラマも全部見たのでまあまあ知ってます。
その次に「Vシリーズ」、これは本当に順番があるので出版順に読んだほうがいいようですが、実は私が読んだ『黒猫…』はこの最初のお話で、さらに言うと実はこのシリーズものの最後の方の一つと3番目のお話も読んでしまいました。だから全然順番じゃないんですが(笑)、でも、だからこそ面白く読めたというか、騙されやすくなったというか、そういう所があると思ったんですよ。
つまり、順番通りじゃなくても、それなりに面白いよ、ということ。まあ順番に読んだ方が正当なんでしょうけどね。
例えば、もっと後に読むべき「χシリーズ」を、私は全部読んでしまっています。それで知らない登場人物が出てきて、「これは誰だ? どういう人だ?」と思いながら読んでたんですけど、それが「Vシリーズ」に出てくるんですね。
その重要人物、HさんとかSさんとかが、「Vシリーズ」の1話目で初登場、しかも何かちょっと怪しげなんですよ。だから私、「あー、初めてこれを読めば、この二人も犯人候補として疑いながら読むんだろうなー」と思いながら読んでたわけです。でも私は知ってるもんね、この二人は絶対に犯人じゃない、ってね。
と・こ・ろ・が!!! なんと、物語のクライマックスでHさんこそ犯人だという話になるんですよ。いやいやいや、違うでしょ、そんなはずないじゃん、と、これは絶対騙しだぞ、そう思わせといて実は違う犯人がいるんだぞ、とドキドキしながら読んでたら、……まったく違った形でのどんでん返しがあったのですよ。もうビックリしたのなんの、しばらく意味が分からず、理解するのに少し時間がかかってしまったくらいです。
このどんでん返しは、ある意味私が順番通りに読まなかったからこその意外性があったと思うんです。いやーほんと、順番通りじゃなくてもそれなりの楽しみがあるよ、と言いたかった。(笑)
色んなミステリーを読みすぎて、結構誰が犯人でもあまり驚かなくなっていた私ですが、森/博/嗣には結構気持ちよく騙されています。
全部読んでから、もう一度読み返したくなる筆頭に挙げたいですね。それにこの方、ちょこちょこと小ネタ大ネタもぶっこんでいらっしゃるようで。(笑) それも読み返す時の楽しみです。あと、そもそもオタクでいらっしゃるので何か同じニオイがするんですよ。(笑) さらに、これは私だけですけど、名古屋の大学の先生なので、地名とかがホントに地元で親しみ深い。
多分、この「Vシリーズ」も全部読むし、あと「S&M」も、まだ読んでない作品は読みたいです。ドラマで知ってるけど、やっぱり端折ってるようなので。そして多分、もう一度「χシリーズ」を読み返したくなるに決まってるし。まあとにかく飽きるまでは読みたいですね。何年かかるか分かんないけどね!
こんな所まで読んでくださってる方はいらっしゃらないでしょうが、お付き合いありがとうございました。
実は次のお話、書きかけてます。今度は謙也くんの連載のつもり。まだまだアップには時間がかかりそうですが。